「エラスチン」関節力を高める靭帯成分

可動域リカバリ

運動で高負荷にさらされ、損傷しやすいのが関節だ。関節は骨と骨の連結部分の総称で、骨の接触部分が軟骨、骨がズレないようにつなぎ留める靭帯、包括的に包む関節包で構成される。その中でも靭帯は、運動機能にもっとも影響する。

靭帯の主成分「エラスチン」の機能性

エラスチンは弾性タンパク質(弾性線維)といい、靭帯、動脈、肺などの、弾力性組織に多く存在する。靭帯のエラスチン割合は様々で、項靭帯の約80%から十字靭帯の約20%と、部位により比率が異なる。またエラスチンはコラーゲン(膠原線維)と結合組織を構築して、複合的な機能性を形成している。(粘弾性と強靭性など)

靭帯は弾性率で質レベルを測定できる。高レベルの靭帯は、強力な張力をゴムのようにしなやかに吸収し、伸びきることも切れることもなく元の状態に戻る。この粘弾性はエラスチンの特性で、関節の可動域に影響する。仮に関節が可動域を超えて屈曲しても、よい靭帯であれば、脱臼することなく骨端を元の位置まで戻してくれる。

靭帯の線維プロテイン比率

靭帯の断裂リスクの上昇

関節を酷使することで、靭帯は無数の傷を負う。靭帯には神経がないため、痛みを感じにくい。そのため放置されやすく、損傷蓄積によって硬く切れやすい状態になる。さらに20歳を超えると、エラスチンの代謝が低下するため、断裂リスクはさらに高まる。加齢とともに関節が硬くなるのは、靭帯の主成分であるエラスチンの代謝不足により、線維質が強度と粘弾性を失い、硬化しているものと推測される。

靭帯の断裂リスク

さらに正常なエラスチン線維が形成されないと、関節障害や脱臼のほかにも、皮膚のたるみ、肺気腫、動脈硬化などのリスクも高まるとされる。

靭帯の破断リスクを低下させる

では、靭帯の質レベルを高めることはできるのだろうか?三重大学と林兼産業との共同研究において、カツオエラスチンを摂取したことで、細胞増殖促進作用、エラスチン発現作用、Ⅰ型コラーゲン発現作用、Ⅲ型コラーゲン発現作用、骨芽細胞様分化抑制作用が確認された。また弾性率、断面積、最大変形量において、有意傾向にあると結論付けた。

つまりエラスチンを摂取することで、靭帯の機能性が高まったことを示した。

参考文献

  • 靭帯とエラスチン、靭帯改善 関節・スポーツサプリメント素材として/林兼産業株式会社
  • Properties of soluble elastin peptide from bulbus arteriosus in fish species/NAKABA M. Fisheries Science 72 (6), 1322-1324, 2006
  • カツオ動脈球由来エラスチンペプチド長期摂取試験における安全性の検討/白土 絵理 応用薬理 83 (3), 23-26, 2012-10-31
  • カツオ由来エラスチンペプチド経口摂取による皮膚・血流・血管への効果/白土 絵理 食品加工技術 : 日本食品機械研究会誌 32 (2), 70-79, 2012

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