EAAの筋肉作用と効果的な活用法

筋肉系リカバリ

最強の筋肉系アミノ酸

EAAはプロテインと違い、消化することなく吸収できるので、効率的な結果が望めます。またドリンクとして飲めるので、運動やトレーニング前に摂取でき、消化機能の低下状態でも問題ありません。

ある実験では [プロテイン20g = EAA約6g ]というデータも報告されています。

さらに筋肉を合成するアミノ酸であるBCAA(分岐鎖アミノ酸/ロイシン、イソロイシン、バリン)も含んでいて、BCAA単体で摂るよりも効果がはるかに高いことが報告されています。

EAAとは?

必須アミノ酸

EAA はEssential Amino Acidの略称で、必須アミノ酸のことです。必須アミノ酸は人体を構成するアミノ酸の内、体内で合成できないものを指します。

アミノ酸分類

アミノ酸不足を補うEAA

通常はバランスの良い食事で摂取することができます。しかしスポーツ選手やトレーニング時には全く足りず、その補給にEAAは最適です。世界的に効果や安全性に対する相反文献はなく、強い信頼性と安全性が認められています。

*本記事は東京で開催された国際スポーツ栄養学会 (2022,2,26)で発表された内容や資料が含まれます。以下「学会」とする。

EAAの筋肉への作用

血中アミノ酸濃度が重要

Muscle-Net-Balance

筋タンパク質の合成は、血中アミノ酸濃度と相関関係があり、高濃度ほど筋合成が促進されます。つまりトレーニング中の血中アミノ酸濃度を低下させない事が重要です。そのためにトレーニング前やトレーニング中に摂取できるEAAは最適な飲料です。

筋合成するアミノ酸

アミノ酸の筋タンパク質の合成比較

この表から、必須アミノ酸だけが筋タンパク質合成を促進することが分かります。

非必須アミノ酸だけでは、全く筋合成が行われません。但し非必須アミノ酸も継続的なタンパク質生成には役割があります。

EAAと他成分との違い

EAAとプロテインの違い

EAA プロテイン
アミノ酸数 全9種類 20種類以上
アミノ酸の種類 必須アミノ酸 必須アミノ酸+非必須アミノ酸
消化工程 必要なし 必要
吸収時間 早い やや早い
摂取タイミング 運動前/運動中/運動後 運動後
想定される課題 とり過ぎによる肝腎負荷 1回吸収量に限界と負荷
主なメリット 高ストレス下や高齢者でも摂取 空腹感がやや満たされる

大きな違いは、消化工程があるか否か、筋合成スピード、吸収限界値と摂取タイミングです。またEAAはプロテインよりも少ない量で効果が得られることも利点です。

EAAとプロテインの効果比較

EAAとBCAAの違い

EAAにはBCAAが相当量含まれていますが、BCAAの作用評価は大きく分かれます。BCAAの効果において相反する研究論文が多く報告されていて、その信用性は決して高いものではありません。

EAAとHMBの違い

HMBは筋肉細胞の増殖促進因子なので、タンパク質やEAAと一緒に摂る必要があります。

EAAの摂取方法

EAAの適量とは?

EAAの摂取用量に対する筋合成比較

学会報告では、EAA摂取量15~18gで最大の筋タンパク質合成が行われました。それ以上摂取しても変化がないことも分かりました。

しかし継続するには、腎臓や肝臓への負荷を考慮して、その半分量の7~9gが適量と思われます。

通常の摂取量 (体重(kg) ÷ 10 )g
短期集中の摂取量 (体重(kg) ÷5 )g

例:体重が60kgであれば6~12g、体重が80kgであれば8~16gになります。

EAAの効率的な摂取タイミング

運動前と運動後のEAA摂取と取込み量

トレーニング直前が、もっとも高い筋合成を示しました。運動直後は高ストレスにる吸収抵抗、または他の器官が利用するため、筋合成が4分の1に低下しています。運動直後よりも運動後1時間の方が、筋合成が高いことが分かりました。

EAA効果の減少

筋肉細胞の分解と合成サイクルは「ターンオーバー」といわれ、空腹時や代謝ストレス下では、分解が合成より大きくなるため筋肉の減少を招きます。その対策としては、血中アミノ酸濃度を高めてターンオーバーを加速させ、新しい筋原線維をつくる機能を高めることが重要です。

低カロリーと高ストレス

高ストレス&低カロリー状態でのEAAの作用変化

高ストレス下と低カロリー状態では、筋タンパク質合成を促進することができません。そのような状況では、カタボリック(筋分解)がアナボリック(筋合成)を上回るため、充分なEAA効果を発揮することができないのです。

加齢による減少と対策

EAAのロイシン割合による筋合成の変化

加齢とともにEAAの代謝量が低下します。それをカバーするため、ロイシンの配合割合を上げることでクリアーできます。

EAA中、ロイシン割合26%をLow、40%をHighとして摂取させたとき、若者はロイシンの配合量による筋合成の変化はありませんでした。高齢者は若者と比較して、Lowで3/5が減少したが、Highでは若者と同等レベルまで回復しています。

つまり年齢に応じて、ロイシン割合を上げることが、加齢による筋合成力の低下を補う方法です。

EAAのまとめ

EAAの血中濃度が上がればあがるほど、筋タンパク質合成やターンオーバーが上がります。トレーニングの最中に血中アミノ酸量を低下させたいために、EAAの摂取は有効といえます。

また高齢や体調不良により、消化機能が低下している状態でも摂取できるので、筋肉バランスを維持するために活用できます。

筋肉増強やパフォーマンス、健康維持管理において、全てのアスリートが摂取すべきものでしょう。

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